日本版ライツイシュー第1号:タカラレーベン株急落

「第1号」の日本版ライツ・イシューに踏み切ったタカラレーベンの株価が急落している。5日の発表後の下落率は20%近い。ライツイシューは本来、新株予約権を受け取る権利がなくなった後に株価が下がるはずだが、権利落ちを待たずして大きく下げている。タカラレーベンも市場関係者も首をかしげる展開になっている。
(日経ヴェリタス2010年3月14日11面)

【CFOならこう読む】

「ライツイシューは、増資企業が既存の株主に新株予約権を無償で割り当て、株主に予約権を行使してもらう仕組み。発行済株式数が増えて1株当たりの価値は希薄化するが、株主は市場価格より安い価格で新株を手に入れられるため、株主1人当たりの価値は目減りしない。予約権を売却して希薄化を補うことも可能だ」(前掲紙)

タカラレーベンのライツイシューの概要は次の通りです。

「1.新株予約権無償割当ての内容
(1) 無償割当の方法
平成22年3月31日(水)を基準日とし、当該基準日の最終の株主名簿に記載又は記録された株主に対して、その有する当社普通株式1株につき1個の割合で株式会社タカラレーベン第1回新株予約権を新株予約権無償割当て(会社法第277条)の方法により割り当てる。
(2) 新株予約権の内容等
① 本新株予約権の名称
株式会社タカラレーベン第1回新株予約権
② 本新株予約権の目的となる株式の 種類及び数
本新株予約権1個あたり、当社普通株式1株
③ 本新株予約権の総数
割当基準日における当社の発行済株式総数か ら同日において当社が保有する当社普  通株式 数を控除した数
④ 本新株予約権の行使に際して出資 される財産の価額(行使価額)
1株につき300円
⑤ 行使によって株式を発行する場合 における資本組入額
1株につき150円
⑥ 行使期間
平成22年5月6日から同年5月31日まで 」(タカラレーベンのプレスリリースより)

理屈上は、権利落ち後に希薄化分だけ株価が下がるはずですが、現状権利落ちを待たずに株価が急落
しています。

このままの価格で権利付き最終日まで推移すると、権利落ち後の価格はさらに下がる可能性
もあります。

【リンク】

2010年3月5日「新株予約権無償割当て(ライツ・イシュー(ノンコミットメント型))に関するお知らせ」株式会社タカラレーベン[PDF]