エー・ディー・ワークス、ライツイシューにより5億円調達

エー・ディー・ワークス 20日、既存株主に無償で割り当てた新株予約権のうち、92・8%が行使され、約5億円を調達したと発表した。調達資金は中古マンションなど投資用不動産の仕入れに充てる。
(日本経済新聞2012年12月21日17面)

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ライツイシューによる資金調達は、日本では2010年のタカラレーベンに続き2件目です。

タカラレーベンのライツイシューについては以下のエントリーをご覧下さい。

2010年3月15日「日本版ライツイシュー第1号:タカラレーベン株急落」

2010年6月2日「日本版ライツイシュー1号:タカラレーベン46億円調達」

エー・ディー・ワークスのライツイシューの概要は以下の通りです。

(ライツ・オファリング(ノンコミットメント型/上場型新株予約権の無償割当て) に関するお知らせ 2012年10月1日より抜粋)

(1)無償割当の方法
2012 年 10 月 16 日(火)を基準日とし、当該基準日の最終の株主名簿に記載又は記録 された株主に対して、その有する当社普通株式1株につき1個の割合で株式会社エ ー・ディー・ワークス第 15 回新株予約権を新株予約権無償割当て(会社法第 277 条) の方法により割当てます。
(2)新株予約権の内容等
①新株予約権の名称
株式会社エー・ディー・ワークス 第 15 回新株予約権
②新株予約権の目的となる株式の種類及 び数
本新株予約権1個あたり、当社普通株式1株
③新株予約権の総数
134,836 個
※割当基準日における当社の発行済株式総数 から、同日において当社が保有する当社普通 株式数を控除した数
④新株予約権の行使に際して出資される 財産の価額(行使価額)
1株(1個)につき 4,000 円
⑤新株予約権の行使によって株式を発行 する場合における資本組入額
1株(1個)につき 2,000 円
⑥新株予約権の権利行使期間
2012 年 11 月 19 日(月)から 2012 年 12 月 14 日(金)まで(予定)
⑦新株予約権の株主様の行使条件
各本新株予約権の一部行使はできないものと する。
⑧新株予約権の当社の取得事由
本新株予約権の取得事由は定めない。

本件ライツ・オファリングでは、新株予約権は証券取 引所において上場されたので、市場取引による売却の選択肢も株主に用意されるため、新株予約権の行使を 望まない株主は、新株予約権を市場取引により売却し、その対価を得ることで、新株予約権の無償割当てによる希 薄化の影響を軽減することができる仕組みになっています(12月7日まで)。

行使比率はタカラレーベンの95.7%であったのに対し、エー・ディー・ワークスは92.8%と引き続き高い水準になりました。

この結果を見て、後に続く会社が出てくるかもしれません。

【リンク】

2012年10月1日「ライツ・オファリング(ノンコミットメント型/上場型新株予約権の無償割当て) に関するお知らせ」株式会社エー・ディー・ワークス [PDF]

2012年10月1日「ライツ・オファリング(ノンコミットメント型/上場型新株予約権の無償割当て) に関するご説明(Q&A)(株主様用)」株式会社エー・ディー・ワークス  [PDF]