投資会社レノ、アコーディア株買い増し

旧村上ファンドの出身者が運用する投資会社レノなどがアコーディア・ゴルフ株を買い増し、18.12を保有していることが、15日に提出された変更報告書で分かった。前回は13.75%だった。
(日本経済新聞2013年1月16日13面)

【CFOならこう読む】

12月4日のエントリー「【TOB開示資料分析】PGM・アコーディアー敵対的買収成るか?」の続報です。

レノは、PGMホールディングスによる株式公開買い付け(TOB)が終了した時点でPGMと経営統合に向けた交渉の場に付くこと、自社株取得を徹底的に行うなどの株主還元実施を要請する書簡をアコーディアに送り、TOB期限である17日の正午までの回答を求めたのことです。

ロイターの1月15日の記事によると、書簡には、

「潜在株式価値を実現できるかどうかは経営陣の手腕にかかっている。経営陣の考えを聞いた上で、対応方針を最終判断する」

としており、アコーディアの回答次第では、本件TOBには応募せず、中長期的に株式を保有する旨記載されているということです。

アコーディアは、16日これに対し次のような回答をしたとのリリースを行っています。

書簡要望①
「今回の PGM による TOB が終了した時点で、PGM との買付価格を含めた諸条件について交渉(PGM によ るデューディリジェンスの受け入れを含む)の場につくことをご表明いただきたいと思っています。」

会社回答
本公開買付けが終了した際には、当社の株主の皆様の最善の利益の実現という 観点から、本経営統合についても検討を行う用意がある旨表明させていただきます。そして、本経営統合の検 討を行うに際しては、双方において相手方に対しデューディリジェンス(但し、両者は競合他社の関係にあるこ とから事業運営に支障の生じるおそれのある企業秘密などの一定の情報は開示できない可能性があります。) を実施しあう用意もあり、また、PGM 側との間で、本経営統合の内容や条件等(本経営統合の方法や統合比 率、本経営統合後の少数株主の利益保護のための方策を含みます。)について交渉の場につく用意もある旨、 付言させていただきます。

書簡要望②
「株主還元策の継続的な実施および明確な基準の策定をお願いいたします。昨年 12 月 3 日に発表された貴 社中期経営計画にて連結の配当性向 90%を目処とする旨発表されておりますが、配当性向を高めるだけで はなく、フリーキャッシュフロー(貴社事業計画上は年間 100 億円レベル)を最大限に活用して、PBR1 倍(また は貴社が割安だと考えるレベル)までは自己株取得を徹底的に行っていただくといった骨太な株主還元策を 実施されることを希望します。」

会社回答
当社は、今後、余剰キャッシュ・フローを積極的かつ継続的に株主の皆様に対して還元することによ り、当社の真の企業価値を資本市場において顕在化させることこそが、株主の皆様の最善の利益に資する施 策であると考え、2013 年 3 月期における期末配当金(予想)を1株当たり 5,500 円に修正し、また、来期以降、 連結配当性向 90%を目処とする株主還元策を発表いたしました。
自己株式取得は、このような当社の株主還元重視の方針と方向性において合致しており、当社としても、当 社の株主の皆様の最善の利益に資する可能性のある有力な選択肢の一つと認識しております。特に、PBR が 1 倍を下回っている局面では、一株あたり純利益及び一株あたり純資産の改善にもつながることから、自己株 式の取得を行うことは、株式の潜在価値を実現し、株主様の利益の向上に資する有効な手段であり、当社が 置かれた状況において、合理的な選択肢であると認識しております。

【リンク】

2013年1月16日「当社株式大量保有者からの書簡の受領およびこれに対する当社の考え方について」株式会社アコーディア・ゴルフ [PDF]