デル、MBOで非上場

米IT大手デルが大きな賭けに踏み出した。創業者でもあるマイケル・デル最高経営責任者と投資ファンドが組んだ総額244億ドル(約2兆2700億円)のMBOで株式を非公開にする。デル氏に権限を集中させ、事業構造の柱をパソコンから法人向けやITサービスに転換する狙いだが、市場から十分な資金調達できなくなる可能性もはらむ。
(日本経済新聞2013年2月7日7ページ)

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「デルは投資ファンドやマイクロソフトから資金を借り入れるなどしてMBOを実施する。「構造改革には時間も投資も忍耐も必要だ。長期的に支援してくれるパートナーと組むことが良いと信じている」。デル氏は5日、全世界の従業員にメッセージを送った。この発言から浮かび上がるのは、非公開会社にすることで、投資家への情報開示に縛られずに長期的な視点で構造改革を進める姿勢だ。」(前掲紙)

買収価格は1株当たり13.65ドル。この価格は、案件が公表された1月11日の株価10.88ドルに対し25%のプレミアム、1月11日までの90日間の平均株価に対し37%のプレミアムを付した水準になります(Dell Web Site:  http://content.dell.com/us/en/corp/d/secure/2013-02-04-michael-dell-silverlake-acquisition.aspx)。

マイケル・デルが組む投資ファンドは、シルバーレイク・パートナーズ、総額244億ドルのMBOになります。ロイター 2013年2月6日の記事によると、必要資金のうち、金融機関からのファイナンシングパッケージで150億ドルを調達、またマイクロソフトから20億ドルの融資を受けるとのことで、2007年以来最大のLBO案件となります。。

別のロイターのコラムによると、マイケル・デルがエクイティの約4分の3を拠出するということで、文字通りのMBO案件となりそうです。

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