エルピーダメモリの更正計画案認可へ

会社更生手続き中のDRAM大手、エルピーダメモリの更生計画案が、月内にも東京地裁の認可を受ける見通しとなった。約4400億円の負債を抱えて経営破綻してからちょうど1年、米半導体大手マイクロン・テクノロジーの傘下で再建を目指すことが正式に決まる。エルピーダの技術力を生かし、半導体メモリー最大手の韓国サムスン電子を追撃する。
(日本経済新聞2013年2月27日11ページ)

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「マイクロンは2000億円でエルピーダを買収する。まず13年前半にエルピーダの全株式を600億円で取得し、完全子会社にする。残る1400億円は19年までにエルピーダから供給を受けるDRAMの対価として支払う。エルピーダは2000億円を返済原資に充てる。負債総額4400億円のうち、約54%が返済されない計算になる。」(前掲紙)

エルピーダは2009年に改正産業活力再生法(産活法)の認定を受け、業績不振に陥った事業会社を公的資金を使って支援する枠組みの適用第1号となりました。このとき私は、このブログで、政府が個別の民間企業を公的に支援するのは止めるべきだと言いました(2012年6月30日「エルピーダ、公的支援本日決定」)。

また、このようなリスクの高い投資は、本来再生ファンド等その道のプロフェッショナルが手掛けるべきで、国がしゃしゃり出る分野ではないのです。

結果国はこの投資により280億円の損失を被りました。
「エルピーダ破たん、公的負担280億円発生で問われる産業政策」
この事実をしっかりと受け止め、今後の産業政策に活かして行ってもらいたいのものです。

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